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情報を断捨離できる人がこれからの『情報強者』

2020-04-30

コロナ関係のデマが問題になっていますね。

インターネット、SNSなどで簡単に情報が手に入る現在。情報を得るよりも自分に必要な情報を取捨選択することが難しくなっています。

情報を上手に活用できる人のことを情報強者、反対に情報を活かせなかったり情報取得自体が苦手な人のことを情報弱者(情弱)なんて呼び方をします。

しかし、これからは膨大な情報に振り回されない人のことを「情報強者」と呼ぶべきだと思います。

真の情報強者になるためには、情報を上手に「捨てられる」スキルが必要なのです。

「正しい情報」に振り回されるな

2020年3月上旬の「トイレットペーパー買い占め騒動」を覚えている方は多いと思います。

「トイレットペーパーがなくなる」というデマが広がり、全国各地でトイレットペーパーの買い占めが起きました。

ことの発端はツイッター。「日本の紙・パルプの製造拠点はほとんどが中国。中国でコロナが広がり生産が停止しているのでトイレットペーパーが品薄になる」というデマツイートが始まりでした。

多くの人がこのデマツイートが拡散されたことで騒動に発展したと思っていると思いますが、東京大学、データ分析会社ホットリンク、日経新聞の共同分析で意外な事実が判明しています。

実はこのデマツイート、リツイートされたのはたった1件だったのです。

それに対して「トイレットペーパーはほとんどが国産」「家の近くの店舗にはまだあった」など、これを否定するツイートが2日間で32万件あったそうです。

多くの人はデマであることを認識した上で「そんなに騒がれるなら買っておこう」という気持ちで買い占めに走りました。

つまり、デマはデマを正そうとした「善意の投稿」によって拡散され騒動にまで発展してしまったのです。

「正しい情報を手に入れているにも関わらず、結果的にデマに振り回された」というなんとも皮肉的な結果ですね。

「正しい情報があれば正しい行動ができる」というのは昔の話。

情報拡散スピードが史上最速となった現代においては「正しい情報が手に入るのは当たり前。その上で適切に判断し行動すること」が我々に求められるスキルになっているのです。

手に入る「正解」が多すぎる!

現在、我々が1日に得ることができる情報量は、江戸時代の1年分と言われています。

それだけ多くの情報を得ていながら、それでもデマに振り回されてしまうのは選択肢が多すぎて迷うからです。

知らないことを調べるのにインターネットは便利ですが、場合によっては相反する2つの主張に出くわすことがあるでしょう。その時にあなたは「正解」を選んでいると自信を持って言えるでしょうか?

例えば「ブログ 開設」などで調べると、「記事は毎日書け」という意見と「週1でいい」という意見が見つかります。

また「株 投資」などで調べれば「株は今が買い時」という人と「まだ下がるから待て」という人と主張が割れています。

これらの主張はどちらが正しいでしょうか?

正解は「どちらも正しい」です。

ブログ、SNSに限らずですが、ネット上の意見は(よほどの悪意がない限り)その投稿者の経験に裏付けされたものであることがほとんどです。

その人にとっては「そのやり方が正解だった」ということですね。

問題は閲覧する側にあります。

いくつかの記事を比較し最も説得力があると思う情報を選んだとしても、次の日には同じキーワードでまた同じ調べものをしてしまう、ということはないでしょうか?

そこで新しい手法を見つけたら、そっちのやり方も試してみたくなりますよね。結果的に手を広げすぎたり、やることが増えすぎて気分が萎えたり。。

要するに、自分の選択に自信が持ててないのです。

厳しく言えば、ネット上の回答からしか「正解」を探すことをせず、自分で「正解」を作り出す努力をしていないのですね。

ネットには投稿者の「正解」は転がっていますが、あなたの「正解」はありません。(結果的に一致することはあります)

これを前提に我々は情報と付き合っていく必要があるのだと思います。

情報の「断捨離」のすすめ

必要な情報を選び自分にとって有益なものに昇華するためには、情報の「断捨離」がおすすめです。

つまり、手に入れた情報を「捨てる」のです。

結果論になってしまいますが、上述のトイレットペーパー騒動で言えば、デマツイートを訂正するのではなく、デマツイートを捨てる(無視する)のが正解だったと思います。

多くの人が同じ発想であれば、デマツイートが広まることはなかったですよね。

また、断捨離をすることで情報の「調べすぎ」を防止することができます。

同じキーワードで何日も同じ情報を調べてしまう、その結果新しく見つけたやり方に浮気してしまう。そんな状態を減らすことができるでしょう。

やってみると分かりますが、これが意外と難しいです。

どうしても調べた情報の「いいとこ取り」をしたくなってしまうんですよね。

つぎはぎした情報が役に立つこともありますが、潔く情報を捨てられない人が、本当に必要な情報だけを拾うことができるでしょうか?

断捨離することで「本当に必要な情報だけを選び取る力」が身につくと思います。

真の『情報強者』となるために、まずは断捨離によって情報を選び取るスキルを鍛えてみてはいかがでしょう。

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