論理的思考(ロジカルシンキング)とは、ものごとを筋道立てて論理的に考える力のことです。
論理的思考は人生のあらゆる場面で役に立ちます。特にプログラミングでは必須技能と言えます。
今回は論理的思考を鍛える方法についてご紹介します。
論理的思考はプログラミングの基礎である
プログラミングを学ぶと論理的思考ができるようになると思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
論理的思考ができるからプログラミングができるようになります。
順番が大切!
- × プログラミングを学んでも、論理的思考ができるとは限らない
- 〇 論理的思考ができれば、プログラミングは習得できる
何事にも「基礎」と言うものがあります。
論理的思考を学ばずにプログラミングの学ぶことは、野球で例えればキャッチボールができないのにフォークボールの練習をするようなものです。
プログラミングの基礎として、まずは論理的思考を学びましょう。
なぜ論理的思考がプログラミングの基礎なのか?
論理的思考を学ぶと、プログラミングは確実に習得しやすくなります。その理由は以下の3つです。
- 自分でロジックを組み立てる力が身に付く
- デバッグする力が身に付く
- 分からないことを調べる力が身に付く
ロジックを組み立てる力が身に付く
プログラミングとは、「表示」「計算」などの単純な命令を組み合わせてコンピューターに指示を出すことで複雑な動作を実現するための技術です。
どういう順番でどういう指示を出せば期待通りの結果を起こせるのか、その組み合わせ(「ロジック」と言います)を考える能力こそが論理的思考です。
プログラミングは本やネットに載っているサンプルコードを自分で書いて動作させてみるのが基本的な勉強方法ですが、それだけで一からコードが書けるようになるわけではありません。
サンプルコードを動作させることに意味はなく、そこから命令の組み合わせパターンを見つけて覚えていくことが重要です。
論理的思考ができれば、覚えたパターンを分解したり組み合わせたりして、自分で新しいロジックを作ることができるようになります。
デバッグする力が身に付く
デバッグとはプログラムが意図通りに動くか確認し、動かない時は修正する作業です。
しかし、自分では気づかない不具合を自力で見つけ、さらに修正するというのは簡単な話ではありません。
そこで重要になってくるのが論理的思考です。
論理的思考ができれば、「こういうプログラムだから、こうすると不具合がおきそう」とか「この不具合はコードのこの部分があやしそう」という仮説検証ができるようになります。
分からないことを調べる力が身に付く
プログラミングには、一般生活では聞きなれない専門用語が大量に出てきます。
しかも、一つの専門用語を調べる過程でまた別の分からない用語に出くわすということもざらです。
これで混乱して挫折してしまう初心者も多く見られます。
論理的思考ができれば、これらを整理してまとめ意味を理解することができるようになります。
論理的思考の鍛え方
「論理的思考を鍛える」と言っても難しく考える必要はありません。
というのも、論理的思考の基本はペンシルゲームを通して感覚的に理解することができるからです。
以下のゲームが論理的思考を学ぶのに役立ちます。
- Hit & Blow(ヒットアンドブロー)
- 数独(ナンプレ)、イラストロジック(ピクロス)
Hit & Blow(ヒットアンドブロー)
私の一番のオススメは、Hit & Blow(ヒットアンドブロー)という数字当てゲームです。
Hit&Blow(ヒットアンドブロー)とは
お互いが決めた3桁~5桁の数字を推理する対戦ゲームです。
例えば相手の数字が「651」だった時に、「150」とコールしたとします。
その結果は「1ヒット(数字も桁もあっている。ここでは5のこと)、1ブロー(数字はあっているが場所が違う。ここでは1のこと)」となります。
このようなやりとりを繰り返し、正解の数字を推理していくゲームです。
2人いれば紙とペンだけで遊ぶことができますが、1人でもブラウザゲームやスマホアプリを使って楽しめます。
ターンごとに増えていくヒントを元に数字を絞り込んでいく作業は、まさに論理的思考そのものです。
桁数が多いほど難しくなりますので、3桁の推理に慣れてきたらより多くの桁数に挑戦してみてください。
数独(ナンプレ)、イラストロジック(ピクロス)
数字を使ったパズルゲームです。
ナンプレはマス目に記載された数字をヒントに空白マスの数字を埋めていくゲーム。
イラストロジックは数字に記載された数だけマス目を塗りつぶしていくと、隠された絵が浮かび上がってくるパズルゲームです。
1つの答えが次の答えにつながるヒントとなり、それを連鎖しながらマスを埋めていきます。繰り返し問題を解いていると、「論理的思考ってこういうことか」というのが感覚的に分かるようになると思います。
どちらも書店やスーパーの書籍コーナーで懸賞付きの雑誌が購入できます。
問題が解けたら懸賞に応募してみるのも楽しみの一つですね。
ゲームに慣れてきたら、本を一冊読もう
ゲームのコツがつかめてくると、感覚的に論理的思考が分かった状態になります。
なんとなく、ゲームが上手くなってきたなと感じたら、論理的思考について書かれた本を1冊読んでみましょう。
本は自分が読みやすいと感じるもので構いません。
感覚的に理解したものが言葉に置き換わることで理解が深まることでしょう。
論理的思考ができるようになったらプログラミングに挑戦しよう
プログラミングを学ぶ方は、この段階でようやく「プログラミング」に触れる準備ができました。
プログラミングスクールに入るなら、このタイミングで入ることをおすすめします。
ポイント
プログラミングスクールはプログラミング言語とアプリの作り方は教えてくれますが、論理的思考は教えてくれません。
スクールの広告によくある「最短〇ヵ月」というのは最初から素養がある(論理的思考ができる)人が前提の話です。
独学で勉強する場合も、このタイミングから勉強に着手すると効率的です。