話題のChat--GPT(生成AI)を使ってRFI(情報提供依頼書)を作ってみました。
RFI(情報提供依頼書)のようなシステム関係の文書は、慣れてないと作るのはとても難しく感じると思います。
そのため、システムコンサルタントに高額の依頼料を払って作成してもらっている方もいるのではないでしょうか。
しかし今ならAIの力を使って、慣れてない方でも十分なレベルの文書を作成することができます。
今回は、実際にChat-GPTを使ってRFIを作ってみたいと思います。
Chat-GPTとは?
Chat-GPTとは、Open AI社が2022年に提供を開始した人工知能チャットボットです。
大規模言語モデルと呼ばれるモデルを採用し、あたかも人と会話しているように言葉を理解、生成できることで注目を浴びました。
この技術により一般の人でもAIを簡単に扱えるようになり、一気に活用範囲が広がりました。
実際にChat-GPTを使ってRFIを作ってみる
今回は「古くなった会計システムを入れ替える」というテーマで、Chat-GPTにRFIを作ってもらおうと思います。
初めてRFIを作る担当者という設定で、できる限り初心者目線で質問していきたいと思います。
最初の質問
まずはRFIを作るという目的と、これからやるべきことを教えてもらう質問をしてみます。
あなたは優秀なシステムコンサルタントです。
これからあなたと一緒に会計システム刷新のためのRFIを作成したいと思います。
私がRFIを作るために必要なことを質問をしてください。
Chat-GPTからの質問に回答する
Chat-GPTが質問を返してきたので回答します。
今回は仮の設定として、会計システムによくありそうな設定を私のアドリブで適当に入れてみました。
質問にお答えします。
- 現在の会計システムには、以下の機能があります。
・仕訳機能
・出荷情報を売掛金として取り込む
・購買情報を買掛金として取り込む
・売掛金の消込
・財務諸表の作成 - 会計システム刷新の目的と理由は以下の通りです。
・目的: 古くなった会計システムの入れ替え
・理由: 現在の会計システムは10年以上稼働を続けており、法改正のたびに多額のカスタマイズ費用がかかるため。
・達成したい目標: ソフトウェアのバージョンアップだけで法改正に対応したい。また、国際会計基準に対応したシステムにしたい。 - 予算は未定です。今回のRFIを各ベンダーに配り、相場の情報を集めいたいと考えています。スケジュールですが、2025年春頃までに導入したいです。
- 新しい会計システムには、以下の機能を求めます。
・仕訳機能
・出荷情報を売掛金として取り込む
・購買情報を買掛金として取り込む
・売掛金の消込
・財務諸表の作成
・国際会計基準への対応
・外貨での仕訳 - 利用人数は経理部門3名 + 経営陣2名の合計5名で利用予定です。
システムの規模や複雑さとは、具体的にどういうことを回答すれば良いか教えてください。 - データは経理部門が更新が可能で、経営陣は閲覧のみ可能としたいです。また、管理者を経理部門のメンバー1名が兼任します。
- 法改正の度にカスタマイズ費用が掛からないようにしたいです。システムのカスタマイズは行わず、可能な限りパッケージ標準のままで利用したいです。
- 導入時にシステムの操作方法をトレーニングしてください。また、システム導入後最初の年度締めまでは定期的に対面でサポートを受けられる体制を希望します。
- クラウド型とオンプレ型のどちらの会計システムが適切か、ご提案をいただきたいです。
質問の答えが的外れだったり、他に不足点があったらさらに質問を続けてください。
質問の意味が分からないので聞いてみる
回答の最後に「不足点があったらさらに質問を続けてください。」と入れたので、さらに質問が返されてきました。
さらに回答を埋めていきたいと思いますが、「事業の複雑さ」の意味がよく分からなかったので、まずはそこを確認してみます。
事業の複雑さとは、具体的にどういうものでしょうか? 具体例を教えてください。
さらにやりとりを続ける
疑問が解消したので、先ほどの質問に回答します。
ありがとうございます。質問に回答します。
- データは売掛金が1日10件程度、別システムからCSV形式で送られてきます。また、買掛金が1日100件程度、別システムからCSV形式で送られてきます。
また、入金データは全銀協形式で取得します。
会社には製造、販売、人事部門等、多くの部門が存在しますが、会計業務に必要なデータは全て上記に集約されますので、事業規模は関係しません。 - クラウド、オンプレともにどのようなセキュリティが担保できるか、提案をもらいたいです。
- 保守契約によって、以下の内容を担保いただきたいです。
・システムの無償アップデート
・障害対応
・メールやサポートフォームからの操作や仕様の問い合わせ
質問の答えが的外れだったり、他に不足点があったらさらに質問を続けてください。
情報が揃ったようでしたら、RFIとして情報をまとめてください。
こんな感じで何回かやりとりを行い、完成したRFIが以下のものです。
セルフレビューさせる
RFIが出来上がったので、後はこの内容をワードやパワーポイント等のツールを使って清書すれば完成です。
ただ、せっかくなのでより完成度を上げるためにさらにセルフレビューさせてみます。
このRFIを添削してください。また、さらに良くするためのアドバイスをください。
清書して完成!
後はこの内容をWord(ワード)やPower Point(パワーポイント)等のツールを使って清書すれば完成です。
ただし上述の通りChat-GPTは文字主体のやりとりですので、必要に応じて分かりやすく見せるよう工夫しましょう。
数値関係は表にまとめたり、システム構成図なんかも一緒に付けられると良いと思います。
ポイントは「逆質問」
今回、RFI作成にChat-GPTを使う上で重要なテクニックが一つあります。
それが「逆質問」です。
Chat-GPTはこちらの質問に対して、必ず何らかの回答を返そうとします。
そのため、人間なら「それってどういうこと?」と聞き返すようなあいまいな質問でも、AIは適当な解釈をして適当な回答を生成してしまうのです。
今回の場合、ただ「RFIを作りたい」と入力しただけでは、ググれば簡単に見つかりそうな「RFIの一般的な作り方」が返ってきてしまいます。
そこで「逆質問しろ」という指示を出すことで適当な回答を制限し、かつAI主導で文書を作ることができるようになります。
今回の例では、以下の入力文がこれにあたります。
逆質問の例
- 「私がRFIを作るために必要なことを質問をしてください。」
- 「質問の答えが的外れだったり、他に不足点があったらさらに質問を続けてください。」
Chat-GPTでも十分なレベルの資料が作れる
いかがでしたでしょうか?
実際に作ってみて、システムエンジニアである私の目線から見ても十分な資料になったように思いました。
情報が不足している場合はちゃんと指摘してくれますので、初めての方でも十分に使えるものと思います。
正直なところ、下手なコンサル会社よりよっぽど役に立つような気が。。
ぜひ、みなさんもAIを使いこなしてRFIを作ってみてください。