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【開発依頼の基本】課題整理ってどうやるの?

最終更新日: 2021.05.21

「システムを刷新せよ」とのお達しが上層部から降りてきた。

その時あなたならどうしますか?

まず今のシステムの何が問題で何を解決しなくてはいけないか考えると思います。

自分がシステム利用の当事者であれば使い勝手の悪さや改善点など、すでにいくつかの課題が見えているのではないでしょうか。

しかしまとめてみたは良いものの、課題の粒度がばらばらだったり後から別の課題を思いついたり…。なんとなくもやもやした状態になってはいないでしょうか。

課題整理は、その後の方向性を決定づける重要な作業です。

システムの依頼先に課題をうまく伝えられないと見当違いのシステムを提案されたり、予想外のコストがかかってきたりと良いことが一つもありません。社内での利害調整にも苦労すると思います。

今回は課題整理の基本的な進め方について見ていきます。

目的は本質的な課題を見つけること

すでに分かっていたり関係者へのヒアリングで出てくる課題は、基本的には表面的な課題です。この表面的な課題から本質的な課題を見つけていくことが課題整理の主な目的となります。

例として病気の「風邪」について考えてみましょう。

風邪というと「頭が痛い」「ノドが痛い」といった症状が身体に出ることが多いと思います。これが表面的な課題です。

医者は「頭が痛い」「ノドが痛い」という患者の訴えといくつかの検診を通して、「風邪」であると断定します。これが本質的な課題です。

もし医者が表面的な課題だけを見て処置をした場合はどうなるでしょうか?

・頭が痛い → 頭痛薬の処方
・ノドが痛い → うがい薬の処方

納得いかないですよね。本来なら風邪薬を処方してほしいところです。

目の前の症状にだけ注意すると風邪そのものに対する治療は行われません。頭やノドの痛みはなくなるかもしれませんが、体のだるさは消えないでしょう。

本質的な課題を見つける意味はここにあります。

頭痛だけでなく風邪の諸症状を治療するように、本質的な課題に対処することで気づいていなかった潜在課題も一緒に解決することができるのです。

また、本質的な課題の解決は対処するポイントを絞り込めるためコスト抑制にもなります。課題を深掘りした結果、システムは関係なく運用の問題だったなんてこともあります。そのような事態を避けるためにも課題は深掘りする必要があるのです。

課題整理のための思考法

課題を整理し本質的な課題を見つける方法について、特別なツールなしに誰でもできる方法をご紹介いたします。

見えている課題を洗い出す

まず気づいている課題をとにかく羅列します。

「データの一括取り込みができない」「よく使うボタンが小さくて押しにくい」など、システムへの不満から日頃感じている問題点など、とにかく思いつく限り書き出しましょう。

関係者を集めてブレインストーミング(ブレスト)を行うのも効果的です。

ネガティブな意見集約は愚痴大会のようになってしまうかもしれませんが、それで構いません。

とにかく現状の不満を出し切るつもりでやっちゃいましょう。

必要に応じて課題を分類しながら進めても良いと思います。

分類はシステムの画面単位でも良いですし、受注処理、請求処理のように業務の流れに合わせるのもおすすめです。

「そういえば請求処理でこんなことに困ってた」という感じで、業務をイメージすることで課題を思い出しやすくなります。

課題と感じる理由・背景を考える

課題の洗い出しが終わったら、一つ一つの課題について「なぜそれが課題なのか?」を考えます。

ここが少し難しいのですが、「そもそもなんでそんなことしなくちゃいけないんだっけ?」という視点で理由を考えるのがポイントです。

例えば「検索ボタンが小さくて押しにくい」という課題であれば、「そもそもなんでそのボタン押すの?」という理由から考えます。

例:「検索ボタンが小さくて押しにくい」課題の理由・背景
 ×:ボタンが小さいから
 〇:検索機能を使わないと顧客情報を探すのに時間がかかる。よく使う機能なのにボタンが押しづらくストレスを感じる

課題が多いと一つ一つ見るのは大変に感じるかもしれません。

しかし少し作業してみると、理由が似ているものがいくつかあることに気づくと思います。

理由が似ている課題を一つにまとめていくことで課題を整理します。これで雑然と積みあがった課題がある程度のまとまりに集約されます。

実は課題がたくさんあると思っていても、根っこは意外と同じだった言うケースは多いですよ。

課題の理由・背景から本質を探る

課題と感じる理由・背景が分かったら、いよいよ課題の本質を探ります。

過去と現在の対比から探る

多くの場合、課題の本質は過去と現在の対比に潜んでいます。これは「昔は課題だと思わなかったけど、今は課題だと思っている」ということです。

上述の「検索ボタンが小さくて押しにくい」について考えてみます。

課題と感じる理由は、

「よく使う機能なのにボタンが押しづらくストレスを感じる」

としました。

なぜよく使うのかと言えば「検索機能を使わないと顧客情報を探すのに時間がかかるから」。つまり顧客数が多いということです。

現行システムの導入当初は顧客数も少なく、検索機能は重視されなかったのかもしれません。

その場合、「顧客数が急増し検索機能をよく使うようになった。そのため検索機能の使いづらさが目立つようになった」という背景がありそうです。

そうであれば課題の本質は「現行システムが現在の事業規模に合ってない」ということになるのではないでしょうか。

なんとなく答えが見えたら、他にも同じような結論になる課題がないか探してみます。

例えば「一覧表示が遅い」「顧客登録が面倒」のような課題があれば、同じように規模の拡大によって課題認識されたものと言えそうで。

そこまで確認できたら、この結論は課題の本質である言うことができるでしょう。

他にも「昔なかった仕事が増えた」「昔から課題だと思ってたけど優先度が低かった」という感じで、過去と現在を比べることで本質が見えてくるパターンがあります。

課題の本質としてよく登場する言葉

これだけでは分かりにくいと思いますので、課題の本質としてよく出てくる言葉をご紹介したいと思います。

用語用例
合ってない・
ズレている
現行システムが現在の事業規模に合ってない
現行制度が社員のニーズとズレている
あいまい・
ない
運用ルールがない
判断基準があいまい
定義があいまい
複雑 運用ルールが複雑
判断基準が複雑
多すぎる 運用ルールが多すぎる
経営指標が多すぎる

このようなキーワードを参考に課題の本質探しをしてみてください。

課題の本質に正解はない

難しく感じたかもしれませんが、課題の本質に正解があるわけではありませんのでまずは気負わずにやってみることをおすすめします。自分を含め関係者で納得できる解が得られれば十分です。

自分たちが解決したい本当の課題を見つけ、これを開発ベンダーとのコミュニケーションに利用することでよりよい提案の引き出しに繋がります。

例えば「検索ボタンが小さい」と伝えた場合、「ボタンを大きく目立つようにしましょう!」程度の提案にしか得られません。

しかし「顧客数が急増したため、システムが合わなくなっている」という伝え方であれば、「じゃあデータ量も増えてますね。DBやサーバースペックも見直しましょうか?」のようにシステム屋ならではの視点で有益な提案を得られる可能性が高まります。

ポイントは「発注先は発注元の能力を超えられない」という視点で、丁寧に課題を整理することです。

良い提案を得るには良い課題提起から始まるといっても過言ではないでしょう。

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