企業がホームページを持つのが当たり前の時代。競合他社に負けない魅力的なホームページにしたいと考える会社も多いのではないでしょうか。
その手段の一つがホームページのリニューアル。
他社サイトを調査するとまずデザインに目がいきますよね。
「ウチもこんな素敵なホームページにしたいなあ」
デザインも大事ですが、それ以上に大事なのがホームページの目的です。
正確に言うと、目的に沿った形でデザインが練りこまれ多くの人が「素敵」と感じる魅力的なホームページが完成するのです。
目的とリニューアルポイント
実際にホームページに求められる目的についていくつか考えてみましょう。
目的によってどのような点に気を付けた構成にするべきか、ポイントも合わせてご紹介します。
お問い合わせ・資料請求
自社の商品やサービス、事業内容を知ってもらい、直接ユーザーとコンタクトを取ることを目的とします。
高額商品やBtoBのビジネスでは、ネットの情報だけで取り引きが行われることは少なく、ホームページは次の商談に進めるためのファーストステップとして利用されます。
実際に問い合わせを受けたら営業マンを派遣するといった対応により、営業活動の効率化を狙います。
この場合、自社に問い合わせしやすい仕掛けが必要です。
商品やサービスの紹介を充実させることはもちろんですが、問い合わせフォームの入力項目を必要最小限にするなど、問い合わせの負荷を下げるような施策が有効でしょう。
販売
自社の商品やサービスをWeb経由で直接購入してもらうことを目的とします。
通信販売やダウンロード販売が可能なソフトウェアや情報商材と相性が良いです。
商品やサービスの紹介を充実させることはお問い合わせや資料請求と同じです。
さらにこちらは購入手続きをWeb上で完結させなくてはいけません。どうしてもフォームへの入力項目が増えてしまうため、購入のハードルを下げる仕掛けが求められます。
例えば、クレジットカードや代引きなどの複数の決済手段を用意する施策が有効です。
他にも会員登録機能を用意し、会員は次回から入力項目を省略できるようにするのも効果的でしょう。メルマガや新商品の発信など、ユーザーとのつながりを維持できるためおすすめです。
またよくある質問コーナーを用意したり、口コミやレビュー情報を掲載するなど、ユーザーの不安を取り除く工夫も必要となります。
ブランディング
類似商品の中から自社商品を選んでもらう、実店舗に足を運んでもらうといった行動を促すことを目的とします。
ブランディングというとルイ・ヴィトンやグッチのような高級ブランドを想像する方も多いですが、要するに「イメージづくり」のことです。
ルイ・ヴィトン=「高級、おしゃれ」というイメージ、ダイソー=「100円、便利グッズ」といったイメージがブランドです。
例えば美容室のサイトであれば、お店の内装や店員さんの写真などでお店の「雰囲気」を表現します。
アットホームさが売りなら店員さんとお客様が談笑している写真などが良いですし、高級路線であればヘッドスパやリラクゼーションシーンのような贅沢な体験を想起させる写真が効果的でしょう。
子ども向けお菓子のサイトであれば、デザインは色彩豊かなポップ調にし、子どもが楽しめるようなゲーム仕掛けのサイトにするのも面白いです。もちろん、文字にふりがなを振ることを忘れてはいけません。
このように、どんなお客様に来てもらいたいか、どんな人に商品を手に取ってもらいたいかを意識し、商品やサービスのブランド化に貢献するのです。
ブランディングを行うことにより、嗜好の近い人が多く集まるサイトになります。このような人はリピート率が高く会社にとっての優良顧客となる可能性が高いでしょう。
リクルート
商品やサービスを売るためではなく、優秀な人材獲得をすることを目的とします。
採用活動はリクナビのような大手求人サイトや地元フリーペーパーのような求人情報誌に頼っているところがほとんどだと思います。
こちらは知名度が高く宣伝効果も期待できるのですが、手数料が高いのがデメリットです。また掲載情報がある程度絞られてしまうため、会社の魅力を伝えきれているかどうかが気になります。
ホームページで自社の価値観を発信することで、無料で価値観の近い(採用確度の高い)人材からの応募が期待できます。
この場合、仕事内容や待遇などの基本情報の他に、社長メッセージや社員インタビューなどによって企業風土や雰囲気をしっかり伝えることがポイントです。
若手社員の活躍状況や女性社員の比率、離職率や残業の有無など、良いところだけでなく悪いところにも焦点をあてられると企業としての誠実さをアピールできるでしょう。
サポート
商品やサービスの問い合わせや修理受付など、ユーザーサポートの窓口とすることを目的とします。
ソフトウェアの場合はサポートサイトを通してバージョンアップの提供も行います。
事業内容によってさまざまなサービスが考えられますが、サポートサイトを充実させることでユーザーの満足度を上げる効果が期待できます。
よくある質問コーナーを設けたり、メンテナンスや不具合情報を発信が主なコンテンツです。
目的は一つでなくても良い
ホームページの目的は一つでなくても構いません。というか、複数の目的が絡み合うことがほとんどでしょう。
しかし、上述したすべてを目的としてしまうと焦点がぼやけてしまうのも事実です。
おすすめは目的に優先順位をつけることです。
会社に今一番足りない要素、緊急の課題はなんでしょうか?
人手不足が深刻であれば、リクルートは第一優先かもしれません。それ以上に新商品を売り込みたいならブランディングを第一目的としてその次にリクルートを目的としてはいかがでしょうか。
ブランディングは自社のイメージ定着に有効であるため、リクルート方面にも良い効果が期待できるかもしれません。
通販もやりたいなら、そっちは別サイトにしてガラッとイメージを変えてしまう案も考えられます。
目的に優先順位をつけることで、そこを軸に戦略を組み立てることができます。
目的が決まったらベンダー選び
目的が決まったらベンダーを探します。
ベンダー探しを始めると制作事例のきらびやかなデザインに目がいってしまいがちですが、重要なのはこちらの目的達成ができるかどうかです。
こちらの目的をちゃんと理解した上で制作してくれる会社かどうか確認するのがおすすめです。
具体的には、過去の制作事例について「このサイトはこういう目的だからこういうデザインにした」という話がすらすら出てくるような会社が良いです。
もしくはこちらの目的を伝えた上で、「それでしたらこんなサイト構成がおすすめです」みたいな提案がすらっと出てくるようなところを選びましょう。
予算の都合もあると思いますが、目的に合わないホームページにしてもお金の無駄遣いになってしまいますのでベンダーは慎重に選びたいですね。