明日の自分をアップデート!

  1. マネジメント
  2. 147 view

使いにくいシステムが出来上がるまで。失敗しないシステムの導入方法

最終更新日: 2021.07.30

最近はSaaSが浸透してきたこともあり、一から業務システムを作ることは稀になってきました。
オンプレ、クラウド問わず、必要なパッケージを組み合わせて業務をシステム化するのが今のトレンドです。

しかし簡単に導入できるのは良いものの、思ったほど成果が上がらないと感じることはないでしょうか?

それはツールの理解不足が原因かもしれません。
新しいシステムが使えないと感じたら、システム導入までのプロセスを検証直してみましょう。

使い方が間違っているから使いにくい

既製品のソフトウェアは、利用シーンに合わせた「ユースケース」を想定して作られています。

ユースケースとは、開発時に「このシステムはこういうシーンでこういう人が、こうやって使うだろう」という実際の利用シーンを想定することです。

言い換えれば、「こうやって使ってほしい」という開発者の思いであるとも言えます。

開発技法としては「ユースケース図」というものを用いて定義するのが一般的ですが、そのような技法を用いない場合でも「きっとこうやって使うよね」という共通認識を関係者間で共有した開発が進められます。

システムは、このユースケースから逸脱した使い方をした時に「使いにくい」と感じます。

【例】ダンボールのフタを開けるには?

例えば、ハサミは紙を切るのは得意ですが、ダンボールのフタを開けるのには向いてません。
ハサミでもできなくはありませんが、カッターを使う方が簡単です。

このように、「やってできないことはないけど、本来の使い方ではない」という感覚が、ユースケースから逸脱している状態です。

ソフトウェアは複雑で目に見えないので、使い方が想像しづらいです。
そのため、ダンボールのフタを開けたいのにハサミを買ってしまうような、ユースケースの取り違いが発生しやすいのですね。

無駄に高機能なシステムも使い勝手が悪いと感じる

システムを導入する過程で、利害関係者からの要望をたくさん聞くことになると思います。

利用者の声は大事ですが、すべての要望を満たそうとして身の丈以上のシステムを導入してしまうことで失敗するケースがあります。

高額なシステムは多機能なものが多く、「あれもできる」「これもできる」と多くのユースケースに対応しており、一見使いやすそうに見えます。

しかし、機能が多いということは覚えなくてはいけないことが多いということでもあります。

自社のレベルにあったシステムでないと理解が追い付かなくなり、結果使いにくいと感じるようになります。

【例】飛行機を操縦できるか?

私は車は運転できますが、飛行機は操縦できません。

仮に操縦のやり方を教えてもらったとしても、コクピットの計器類の多さにげんなりすると思います。
飛行機好きな人でもない限り、多くの人がそうだと思います。

高機能なシステムは飛行機によく似ています。

自動車相当のシステムでは実現できない(それこそ空を飛ぶような)高度な機能を備えてますが、それを使いこなすには多くの知識が要求されます。
飛行機を操縦するなら、大量の計器の意味を覚えなくていけないのと同じです。

担当者のモチベーションが高くない限り、教育段階で機能の多さに圧倒されて辟易する結果になってしまいます。

カスタマイズで使い勝手が悪くなる

自社のレベルにあった使い勝手の良いパッケージを選んだとしても、自社独自の機能を付け加えていった結果、結果的に使いにくくなってしまうことがよくあります。

完成されたパッケージに無理やり機能を追加しているため、最初から高機能であるシステムよりも使い勝手が悪くなる傾向があります。

これは、そのようなカスタマイズをメーカーが想定していないためです。

ユースケースを捻じ曲げたカスタマイズは、当初からあった機能を制限させることにつながり使い勝手の悪化を招きます。

最悪なのは、自社独自のカスタマイズであるため、ソフトウェアの定期バージョンアップが適用できなくなる可能性があることです。

システムが便利になったとしてもカスタマイズが邪魔して最新バージョンに入れ替えることができず、使い勝手の悪いシステムをずっと使い続けなくてはいけなくなってしまうのです。

なぜ使いにくいシステムを作ってしまうのか?

最初から「使いにくいシステムを導入しよう」と思ってプロジェクトをスタートさせる人はいないと思います。

それなのになぜ、こうも使いにくいシステムが出来上がってしまうのでしょうか?

その理由は次のとおりです。

  • 目的がはっきりしてない
  • システムを仕事に合わせている
  • 自分たちの会社は「特殊」だと思っている

詳しく解説します。

目的がはっきりしてない

自分たちは製造ラインを見直したいのか?
それとも営業販路を拡大したいのか?
それをはっきりさせないまま、会計システムを買ってしまう。

そんな意味不明なことが起こります。

目的によって検討すべきシステムの方向性が変わります。

例えば製造ラインのリードタイムを短縮したいのであれば、多くの従業員がデータを監視できるようにライセンスは多めに必要かもしれません。
残業抑制が目的であれば、RPAと相性の良いシステムの方が良いかもしれません。

目的をはっきりさせないと、優先すべき判断基準があいまいになります。
その結果、「なんとなくよさそう」とか「見た目がかっこいい」とか、本質とは関係ないところでシステムを選んでしまうことになってしまいます。

業務にシステムを合わせている

市販のシステムは本来想定しているユースケースが存在します。

ユースケース通りにやればシステムはスムーズに動いてくれますが、「ウチのやり方はこうだから」と流れを捻じ曲げてしまうことでシステムの使い勝手を自ら下げてしまいます。

通常、システムは多くの人がよく使うメニューをアクセスしやすい位置に、アクセス頻度の低いメニューは目立たない位置に配置されています。

自分たちのやり方を押し通すとメニューが使いにくいと感じたり、本来は流れを意識して作られているはずのメニュー構成が理解できなったりします。

システム導入をうまく進めるコツは、「システムに合わせて業務のやり方を変える」ことです。

そのためには、普段の業務が標準化されてなくはいけません。

システム導入は今の仕事のやり方を見直す良い機会です。
めんどくさいですが、それによってシステム導入の成否が大きく変わってきます。

自分たちの会社は「特殊」だと思っている

業務にシステムを合わせる話にも関係しますが、多くの人は「自分の会社は特殊である」と思っています。
「発注単位が同業他社より細かい」とか「同業他社より組織構成が複雑」とか。

この思い込みによって「一般向けに作られたパッケージソフトは合わない」という先入観が生まれるみたいです。

そもそも、世の中に全く同じ会社はありません。

市販品は「業界標準」に則った作りをしているため、多くの会社で利用できるいう思惑で作られています。

業界標準は有識者が考えた効率的な手法や考え方であり、多くの会社が採用しているということであり、ベストプラクティスなのかもしれません。

「特殊」というのはよく言えば会社のオリジナルですが、裏を返せば「異端かもしれない」ということです。

システム導入の目的は業務の効率化や改善であって、現状維持ではありません。
「従来の考え方に固執しているせいでうまく回ってないのでは?」という疑いを持ち、考え方をシステムに近づける努力をすることが重要です。

システム導入を成功させるには

それでは、自社にあった使いやすいシステムにするにはどのようにすればよいのでしょうか。

重要なのは、システム導入の目的をはっきりさせること。そしてシステムに合わせて業務を変えていくという心構えです。

システム導入の目的をはっきりさせる

まず、システム導入の目的をはっきりさせましょう。

目的は以降のシステム導入に関わる全ての作業に影響してくるとても重要なものです。

目的は課題の裏返しであることが多いため、導入したいシステムに関する業務の課題を洗い出すことから始めるのがおすすめです。

ただ課題を出すだけでなく、「その課題が解決したらどういう状態になるか」といったところまで考えるられるとベストです。
「どういう状態になるか」の部分が課題の裏返しとして、目的のヒントになります。

例えば、次のようなイメージです。

課題課題解決後の姿
子会社や各部門から売上データを集めたり、データ提出の催促をするのが大変決められた日にデータが自動収集されている
売上レポートの作成に手間がかかるデータ収集後に自動計算が行われ、レポート作成まで行える
営業報告が遅い商談後、スマホなどから営業報告を即座に送信できる

システムに業務を合わせる

システムのユースケースは、業界標準をベースにしていることが多いです。

システム導入時には「他社がどうやっているか」を気にする方も多いと思いますが、システムの使い方に倣うことで意外と簡単に業界標準のやり方を手に入れることできます。

今までのやり方を変えるのは現場の反発が強い可能性がありますが、そこを頑張るだけの価値があると思います。
例えば、次のようなメリットを得られます。

  • カスタマイズが不要になり、低コストでの導入が実現する
  • ソフトウェアのバージョンアップが簡単にできる
    ※特に会計システムのような法改正に即時対応しなくてはいけないシステムでの恩恵は大きいです
  • 業界標準の考え方ややり方が身に付く

システム導入の目的は「現状維持」ではなく「改善」です。
いままでのやり方が本当に良いのか。
そこをカスタマイズしてまで(費用をかけてまで)する価値があるかをよく検討しましょう。

まとめ

システム導入はSIerと一緒に進めることが多いため、SIer側のSEがプロジェクトをリードしてくれることと思います。

優秀なSEであれば要望を的確にコントロールしてくれますが、みなさんの社内業務に精通しているわけではありません。

そのため、依頼者側が「どうしても必要」というのであればそれをSIer側が覆す論理は持ち合わせていないのです。

システムが使いにくそうだなと感じたら、目的は合っているか、システムのユースケースと使い方がずれていないかをぜひ確認してみてください。

関連記事

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP