IT投資をしないとこれからの時代生き残れないのでは? しかし、ITに詳しい人材は社内にいない。情シス部門をつくるような余裕もないし、いったいどうすればいいのか…
新聞でもテレビでも、最近はITの話題に事欠かないですね。
すでに多くの企業がAIやRPAを活用して成果を上げていますが、コロナ禍によって在宅勤務が増えたことで、さらにIT関連の需要は高まっています。
コロナ禍でも、IT企業が多いナスダックは株価爆上がり中です!
ヒト、モノ、カネに次いで情報は第4の資源とも言われてますし、システム導入を敬遠してきた経営者の方には焦りも生まれているのではないでしょうか。
しかし、社内にはITに明るい人材がおらず、どう進めていいか分からない。そもそもそんな人を雇う余裕がない。そんなジレンマに陥っていることと思います。
情シス部門がなくても、ITに詳しい人がいなくても、低リスクでIT投資は可能です。
今回は『IT人材を持たない個人や中小企業が、どうやってIT投資を進めていけば良いか』、ご紹介します。
ITは直接利益を生まないが、他の資産価値を引き上げる
そもそもなぜ、IT投資が必要なのでしょうか。
ヒト、モノ、カネに次いで情報は第4の資源と言われていますが、その性質は他の3つとは大きく異なります。
ヒト、モノ、カネは、投資によって会社の利益に直接的に貢献します。しかし、情報は単体で利益を生み出すことはありません。
情報活用によって、次のような間接的な貢献をするのです。
情報活用の例
- ホームページにSEO対策を行い、集客率を上げる
- 工場のラインを見える化して、効率の悪い工程を発見する
- 社内サーバーに社外からアクセスできるようにし、在宅勤務を可能にする
このような情報活用のための環境を整えたり改善するのが、IT投資です。
つまりITとは、「なくても仕事はできるけど、あるとより快適に(効率的に)仕事ができるようになる」ツールなのです。
では、なくても仕事になるならIT投資は必要ないのでしょうか?
答えはノーです。
なぜなら、競合他社がIT投資によって競争力を上げているかもしれないからです。
『同じレベルだと思ってた友人が、実は猛勉強していて、期末テストで大きく差をつけられる』
学生時代、そんな経験をしたことはないでしょうか?
IT投資はこれに似ています。
IT投資をせず、今まで同じアナログな仕事をしている内に、競合他社はIT活用によって、何歩も先のサービスを打ち出してくるかもしれません。気づいた時にはクライアントを全部奪われていた、という可能性だってあるのです。
もちろん、余裕がないのに無理に投資する必要はないのですが、設備投資と同じで、ITによる仕組み構築には時間がかかります。
慌ててIT投資を開始しても、何年も前から準備していた競合に追いつくのは簡単なことではないでしょう。
■IT投資の進め方:外部リソースを使おう
ITが必要なのは分かった。でも、ITが分かる人がいないのに、どうやって進めればいいの?
結論を言ってしまいますが、外部リソースをうまく使いましょう。
ITに詳しい人がいないのであれば、分かる人に頼めばいいのです。
いやいや、相談先すら分からないから。コンサルにお願いするほどのお金もないし…
そう思われるかもしれませんが、今は便利な世の中でして、コンサルに依頼しなくても、低コストでIT相談ができるサービスがあります。
クラウドソーシングサイトで依頼する
ランサーズやクラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトで個人コンサルを探す方法があります。
ランサーズの方がITエンジニアが多い印象です。
どちらのサイトも、副業ブームにより登録者がどんどん増えています。
こちらでコンサル依頼を出せば、コンサルタントや技術者が向こうからやってきます。
集まった提案の中から一番良い提案を選ぶことができるので、ある程度のレベルのコンサルが期待できます。
また、希望金額を設定できるので、予算に合わせた無理のない範囲で発注することが可能です。
注意点としては、募集文の内容があいまいすぎると人が集まりません。(私もエンジニアなので分かりますが、要求があいまいだと金額と作業量が釣り合わない可能性が高く、手を上げにくいです)
依頼したいことが明確なら問題ありませんが、「どこから手をつければいいやら…」という本当に初期の、モヤモヤした状態では若干使いにくいサービスです。
その場合は、次にご紹介するココナラのようなスキル売りサイトがオススメです。
ココがポイント
メリット:
複数の人材を集めて、その中から一番良い人を選ぶことができる。
デメリット:
募集文があいまいだと人が集まらない。または見当違いの人しか来ない。(募集文を書くスキルが必要)
ココナラで探す
「とりあえず2時間だけ相談に乗ってほしい」という場合は、ココナラ でサービスを出品している人を探すのがオススメです。
こちらは依頼形式ではなく、コンビニのように出品済みのサービスの中から自分が欲しいものを選ぶスタイルです。
ココナラには、1分100円のように時間制サービスを提供している人がいますので、スポットコンサルのような使い方が可能です。
スポットコンサルは、通常は1時間5000円~がだいたいの相場ですが、このようなサイトでは1時間1000円~でコンサルを受けることができます。
ただ、個人で簡単に出品できる分、当たり外れが激しいです。
本当に優秀な人がお小遣い稼ぎ目的でやっていることもありますし、名ばかりコンサルもいます。
出品者の評価やプロフィールを参考に、優秀そうな人を自分で発掘しなくてはいけないのが、少し大変です。
値段が安いため、何人かのコンサルに話を聞いてみて、総合的に判断する使い方もオススメです。
時間売り専門サイトであるタイムチケット でも同じ方法が使えます。
ココがポイント
メリット:
時間制サービスを使うことで、モヤっとしたところから考えをまとめる手伝いをしてもらえる。
デメリット:
コンサルの当たり外れが激しい。当たりのコンサルを見つけるのに根気が必要。
方向性が見えたら開発を依頼する
悩み事が整理でき、やるべきことが見えたら開発を依頼します。
上述のランサーズやクラウドワークスで発注しても良いですし、コンサルによってはそのまま開発を請け負ってくれる人もいます。
相談したコンサルが信頼できそうであれば、見積もりをお願いしましょう。
そうでなければ、システム開発の比較サイトを使って開発会社を探すのがオススメです。
複数社から一括で見積もりを取り、比較できるので便利です。
システム開発会社の比較サイト
ベンダーの選び方は「実はギャンブル要素が強い大手SIer! 失敗しないベンダーの選び方」にまとめましたので、合わせてご参照ください。
赤字経営ならIT投資は控えるべき
ここまでIT投資についてご紹介してきましたが、起業したばかりだったり、赤字が続いたりしているようなら、IT投資は行うべきではありません。
なぜなら、IT投資は余剰資金で行うべきだからです。
売上が安定しない状態は、試行錯誤を繰り返している状態とも言えます。
そんな状態でシステムを入れても、オペレーションが次の日には変わってしまう可能性があります。
システム化には、業務を一定のプロセスに標準化する性質があります。
システムのせいで試行錯誤の幅が狭まる結果となっては、本末転倒です。
しっかりと黒字が出るまでは、お金は生産設備や広告など、売上に直接つながるものに使いましょう。
ITは経営を加速させるためのブースト装置です
ITは販促範囲を広げるための営業ツールや、コストダウンの切り札にもなったりします。
応用の幅が広く、使い方次第で強力な武器になるのです。
システム化によって雑務が減ったり、引き合いが増えたりするとビジネスがより楽しく感じられるようになると思います。
クラウドソーシングの登場によって、IT人材のいない個人や中小企業でも低コストでITコンサルが受けられる時代になりました。
ぜひうまく活用して、IT戦略を考えてみてください。