システム導入

実はギャンブル要素が強い大手SIer! 失敗しないベンダーの選び方

2020年1月17日

2019年は働き方改革元年と呼ばれ、多くの企業が業務効率化や長時間労働の是正に取り組んだものと思います。

その中でフィンテックやDX(デジタルトランスフォーメーション)、RPAといったITを活用する取り込みが大きく注目されました。

自社でもシステムの刷新、導入をと、ベンダー探しを行ったところも多いのではないでしょうか。

この時、ベンダー探しでよく目にするのがNECや富士通などの大手SIerです。

誰もが知っている企業でネームバリューがあり、なんとなくここに任せれば安心という思いから、自然とベンダー候補を大手だけに絞るといった選定作業になりがちです。

確かに人材、人脈、サポート体制と、どれをとっても中小企業とは比較にならないほどの素晴らしいのですが、それだけで候補を決めてしまうのはちょっともったいないです。

本稿では、大手SIerと中小SIerのメリット、デメリットについて解説いたします。

実はギャンブル要素が強い大手SIer。アタリの人材を引けるかが勝負

大手SIerは豊富な人材を多く抱えているため、さまざまなニーズに対応できます。

特にERPのような大規模なシステムはさまざまな業務知識が要求されますから、社内外から専門家をかき集められるところというと、どうしても限られてしまうでしょう。

また、24時間体制のサポートや現場急行のようなサービスを提供できるのも大手ならではです。全国展開のため、地方企業でもサービスを受けやすい点も魅力です。

しかし人材が豊富ということは、優秀な人が多いのに比例して、そうではない人も多くいる、ということです。

営業はすごく良い人でこの会社に決めたけど、いざプロジェクトが始まって出てきたSEの能力が想定以上に低かった、というケースが意外と多いです。

2030年には60万人の人材が不足すると言われているほど、現在のIT業界は慢性的な人手不足であり、IT企業には仕事が殺到しています。さらに優秀な人ほど絶え間なくプロジェクトにアサインされているのが現実です。

そのような状態で、たまたまな優秀なSEに空きがあって、たまたまあなたの会社のプロジェクトとタイミングが合う、なんて都合の良いことがどのくらいあるでしょうか?

人手不足も深刻ですから、経験の浅いSEや能力不足のSEでも、お客様のところに出さざるを得ない事情もあるでしょう。

それでも大手SIerであれば、全く能力がない人を担当SEにしてくるようなことはないと思いますが(せめてそうであってほしい)、言われた通りのことしかやらない、提案がない、仕事が遅い、などの不満の一つ、二つは覚悟すべきだと思います。

反対にアタリのSEが引けた場合は、これ以上心強いことはないでしょう。

綿密な計画、抜け漏れのない要件定義、きめ細かなフォローなど、プロジェクトの強力な推進力になってくれるはずです。

実力が分かりやすい中小SIer。人材の流動に対応できるかがカギ

中小SIerの良いところは営業と技術者の距離が近く、商談の早い段階から技術者の顔が分かるということです。

良くも悪くも少数精鋭なので、技術者が営業担当を兼ねているケースもあり、商談内でも技術的な質問に対応できるところが多いです。反対に技術的な質問に答えられない、回答が遅いようなところは、技術者との距離が遠いか、技術者のレベルが低いかといった点が想像できます。

そのため技術者のレベルが読みやすく、契約後に来た担当SEがいまいちという事態も避けやすいです。

内容にもよりますが、大手に比べ金額が安めのところが多いので、そこもメリットです。

デメリットは大手SIerの逆になりますが、人数が少ないためサポート体制に不安があることです。

一人あたりが抱える案件数が多くなりがちで(それが経験値にもなるのですが)、繁忙期には手が回らないリスクがあります。

また人数が少ないゆえに担当者が辞めてしまった場合のインパクトが大きく、その後のサポートが弱くなるケースがあります。

これは大手SIerにも言えることですが、担当者が優秀であればあるほど、後任の能力に不満が残ることになるでしょう。

ただ、中小SIerの場合は人材が限られるため、同格の後任確保が大手に比べ難しい面があるのは事実です。

IT業界は人材流動が激しく、社会問題になるほどの人手不足でもあるため、優秀な技術者ほど転職しやすい特徴があります。そのため、担当者がプロジェクト途中でいなくなってしまうケース、プロジェクト終了時にいなくなってしまうケースはありうると想定しておくべきです。

失敗しないベンダーの選び方

では、どうすれば自社にあった最適なベンダーを選ぶことができるでしょうか?

大手SIerと中小SIerでは強みと弱みが異なるため、対策も変わってきます。

大手SIerには早めに担当SEの情報提供を依頼する

大手SIerは導入後のサポート体制に安心感があるものの、契約するまで担当SEのレベルが分かりづらく、優秀なSEを引けるかどうかのギャンブル要素がある点が問題です。

これを回避するために、システム導入を依頼した場合、担当SEはどんな人になるか、早めに確認しておくことが重要です。

「技術的な部分を確認したいから、一度SEを連れてきてほしい」と営業担当の方に伝えればOKです。

複数社によるコンペを予定されている場合は、プレゼンはSE同席でしてもらうようにお願いしておきましょう。(良く分かっている営業であれば、言わなくても連れてきます)

担当SEと実際に話してみて、頼りになりそうか、システムを任せられそうか、自分の目でしっかり確認しておくことが重要です。

中小SIerは開発体制、サポート体制を確認する

中小SIerは技術レベルが読みやすく、導入時にレベルが低い技術者にあたるというリスクは(それを理解した上で契約しない限り)少ないでしょう。

ただし、少数精鋭であるがゆえにプロジェクト中の人員確保やサポート体制に不安が残ります。

プロジェクト途中で担当SEが辞めてしまった時でも、責任を持って最後までやり遂げてくれるかを見極める必要があります。

システム導入、開発は何名で行っているのか。担当者と同レベルの人材は複数名いるか。外注や提携している会社はあるか、といったあたりが確認点になります。

また、同様にサポート体制についても同様の観点で確認が必要です。

自社の人数が少なくても、サポートは専門の会社に依頼して任せている、Q&Aを充実させている、Webからの問い合わせがしやすいなど、特に人員面でのリスクヘッジに十分な工夫がある会社は優良であると言えます。私の経験上でも、そのような会社は責任感が強いと感じます。

商談の場には自社のIT部門を同席させる

これは良いSEを見極める目的で重要です。

営業トークがうまいだけで実力が伴わないSEもいますし、口数は少ないが鋭い視点を持っているSEもいます。

SE同士の会話であれば、その辺りを客観的に判断しやすいです。

またシステムが自社のIT基盤に適合しやすいかといった、社内事情も踏まえて適切な判断をする上でも商談の早めの段階から社内SEを同席させることにはメリットがあります。

値引き交渉は最小限にする

もう一つ重要なことが「過度な値引き交渉はしない」ということです。

お互いビジネスですので多少の値引き交渉は全く問題ありませんが、買い叩きと思えるほどの強引な値引きは、結果的に値引き額以上の勉強代を払うことになるることになります。

無理な値引きで契約した結果、先方のモチベーションが下がりサポートの品質が下がるということもありますし、最悪なのは、担当してもらえるはずだった優秀なSEがもっと金払いの良い顧客に取られてしまうケースです。

そりゃそうですよね。誰だって同じ時間、同じ内容の仕事をするのだったら収入が多い方が良いに決まっています。会社としても、利益率の高い顧客に注力するような戦略を取るでしょう。

世の中はIoT、DX(デジタルトランスフォーメーション)といったIT中心の世界に変わってきています。大手中小問わずSIerへの引き合いは多く、SIerからしてみたら、あなたの会社は多くのクライアントのうちの一つでしかないのです。

もちろん、お金の高い、安いだけで関係が築かれるわけではありませんが、依頼元であるあなたの会社が、他の会社とベンダーの取り合いをしているという意識を持つことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

大手SIerは優秀な人材を多く抱えていますが、その分そうではない人材も多いです。自社のプロジェクトに良いSEが来るかどうかは運の要素が強く、実はギャンブル要素があります。

中小SIerは少数精鋭であるため、システム導入前の吟味はしやすいですが、体制の脆さが弱点となります。

それぞれのメリット、デメリットを把握し、あなたの会社に合うSIerを見つける手助けになれば幸いです。

スポンサードリンク
  • この記事を書いた人

SATORU

長野県在住のシステムエンジニア。仕事はソフトウェア開発、Web、デジタルマーケティング、組み込み、プロマネ、商品企画、システム導入、運用支援などなど。特化型ではなく万能型のエンジニア。田舎住まいなのでその方が重宝されるのです。

-システム導入
-

© 2021 SYSTEM-CREATOR.COM