プロマネ

生産性を改善しても残業はなくならない!SEの残業が常態化する本当の理由

2020年1月24日

昨年に続き、2020年も多くの企業にとって働き方改革が大きなテーマになりそうです。

企業のホワイト化は今後徐々に進んでいくものと思いますが、SE界隈では「残業がなくなるわけねーだろ!」という悲痛な声も聞かれます。

その理由について考察してみました。

現場には仕事のできる人、できない人の2種類の人間がいる

当たり前ですが、会社には仕事ができる人もいれば、そうでない人もいます。

よく2:8の法則でもたとえられます。仕事の8割は2割の優秀な人材が支えているという法則です。

システムの開発現場では、難易度が高い要件は優秀なエンジニアが、そうでないところをそれ以外の人が分担して設計するといった体制が取られます。

未熟なエンジニアは簡単な設計すらできない

技術力がないエンジニアは仕事が遅いです。そしてミスが多い。

設計にしろ実装にしろ、穴だらけでレビューのたびに多くの欠陥が指摘されます。

ただでさえ仕事が遅くスケジュールが遅れがちなのに、ミスによる手戻り→修正→そしてまた手戻り…という悪循環でさらにスケジュールが遅れるという事態なります。

こうなると時間だけが浪費され、残業でカバーするしかなくなってしまいます。

結局、優秀なエンジニアに負荷がかかる

誰かの仕事が遅れるのであれば、その分誰かがフォローに回らなくてはいけません。

優秀な人は仕事が早くミスの少ない設計を行うため、ほぼ予定通りに成果を上げてきます。

そうすると当然、遅れている人の担当だった仕事を引き取ることになり、作業量が増えていきます。

自分のタスクはタスクで残っていますから、これをこなすには残業するしかありません。こうして優秀なエンジニアも残業に巻き込まれていきます。

また優秀な人ほど責任感が強く、なんとしてでも追加タスクをこなしつつ納期も守ろうと奮闘します。それも残業を増やす要因です。

余裕を持ったスケジュールは意味がない。余裕はすべて食いつぶされる

「それは余裕を持った計画が立てられていないからだろう」と思う方もいると思います。

確かに納期が厳しかったり、見積もりが甘かったり…。そもそもスケジュールが破綻しているケースもありますが、実はそれだけではありません。

余裕を持たせるだけのスケジュールには、実は意味がないのです。

パーキンソンの第1法則に、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものがあります。

例えば1時間の仕事に対して2時間の枠を与えたとして、人はこの仕事に2時間をめいっぱい使うというものです。
「余裕があるから」とゆっくり仕事をすることもあれば、より高い完成度を目指して許す限りのめいっぱいの時間を使うこともあります。

私の体感としては、前者は未熟なエンジニアで、後者は優秀なエンジニアに多いように思います。

つまり人間の習性として、そういうものなんだという認識を持っておかなくてはいけないのです。

私もプロマネをやっていた時にこれで何度も失敗していて、十分なバッファを用意してスケジュール管理をしていたにも関わらず最後はいつも納期ギリギリで残業も多い、という状態でした。

残業を減らしたいなら残業を許可しなければいい

では、どうすれば残業は減らせるでしょうか?

株式会社アクシアさんの記事にヒントがありました。

米村社長は、長時間残業、休日出勤当たり前のブラックな職場に突如「残業ゼロ」の厳命を言い渡し、翌日から残業を禁止したそうです。

どうせ続かないだろうと失笑する社員達。遅れていく仕事。納期に間に合わず、当然お客様にも怒られる。

それでもめげずに毎日強制的に定時上がりを続けさせた結果、社員の意識が変わりはじめ、残業をしない仕事のやり方を工夫し始めたそうです。
結果的に生産性が上がり、残業ゼロで仕事が進められるようになったとのことです。

私もこれはその通りだと思っていて、使える時間を厳格に設定することが重要だと考えています。

そもそもスケジュールが遅れるのは、内輪意識があるせいです。チーム内の話だから大事にならない。関係者との納期に間に合えばOK。という、厳しく言えば甘えです。

みなさんのまわりにもいませんか? お客様との打ち合わせには絶対遅れないように10分前には着席するのに、社内の打ち合わせにはなぜかいつも遅れる人。

これと同じように内輪だから許されるという空気が、残業OKの空気に変わってそれを前提とした仕事の進め方に無意識的になっているのです。

残業禁止で本当に生産性が上がるのか?

エンジニアの労働はほとんどが頭脳労働ですから、残業続きで疲弊した頭では生産性が落ちるのは簡単に想像できると思います。

反対に、残業をしない状態は休息が十分にとれている状態ということです。

エンジニアのスキルレベルが急に上がるわけではありませんが、残業続きで落ちていた生産性が元に戻るという形で、生産性の向上が見込めます。

さらに頭がすっきりした状態であれば、生産性を上げるためのアイデアが思いつきやすく、それを試す余裕も生まれるという好循環につながりやすいと思います。

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  • この記事を書いた人

SATORU

長野県在住のシステムエンジニア。仕事はソフトウェア開発、Web、デジタルマーケティング、組み込み、プロマネ、商品企画、システム導入、運用支援などなど。特化型ではなく万能型のエンジニア。田舎住まいなのでその方が重宝されるのです。

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