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リスク管理って何するの?

プロマネ初心者は進捗管理と品質管理に力を入れがちで、リスク管理がおろそかになりやすいです。

プロジェクトが予定通りに進むことはまれなので、不測の事態に備えたリスク管理はとても重要です。

リスク管理ができているプロジェクトは円滑に進みやすいですし、できていないプロジェクトはリスクが直に進捗遅れや品質悪化につながります。

しかし、リスク管理は進捗管理や品質管理と違い、何をどう管理すればよいのかイメージしづらくプロマネ初心者にはハードルが高いようです。

リスク管理は簡単なコツさえつかめば難しいものではありません。

今回はリスク管理の方法と考え方についてご紹介します。

そもそもリスクとは?

リスクとは不確実性のことです。

「宝くじがあたる”かもしれない”」「交通事故に遭う”かもしれない”」というのはどちらもリスクになります。

予想よりも良い結果になることを上振れリスク、悪い結果になることを下振れリスクと言いますね。

多くの方は下振れリスクのことを「リスクがある」という言い方で表現されると思います。

リスク管理におけるリスクも基本的に下振れリスクを扱いますので、この認識で間違ってはいません。

ただしよく誤解されるのですが、確実に起こる未来はどんなに悪い結果であってもリスクとは言いません。

例えば「高層ビルの屋上から落ちたら死ぬ」というのは誰もが想定する結果です。「高層ビルの屋上から落ちたら死ぬ”かもしれない”」とは考えませんよね?

このようなものはリスク管理の対象にはなりません。結果が分かっているのですから「落ちないように柵を設置する」など、事前に予防策を講じておけば良いのです。

リスク管理のやり方

それでは、プロジェクトにおけるリスク管理について説明します。

と言っても難しいことはありません。プロジェクト開始前にリスク管理シートを作成し、次の4つの項目を埋めていくだけです。

  1. リスクを洗い出す
  2. 発生確率とプロジェクトへの影響度を検討する
  3. 対策を検討する
  4. トリガーポイントを決める
  5. リスクを共有する

リスクを洗い出す

まず今回のプロジェクトにはどんなリスクが潜んでいるかを洗い出します。

コツはリスクの発生要因をセットで考えることです。そうすることで自分たちの手に負えるリスクかそうでないかが分かりやすくなります。

例えば「大規模地震が発生しプロジェクトの継続が困難になる」というのはどうでしょう。確かにリスクですが、これはプロジェクト以前に会社の存亡に関わる問題です。

大きすぎるリスクは一プロマネがどうにかできるレベルではないため、プロジェクトで扱うべきではありません。そのようなものは会社のリスク管理として取り組むべきです。

では「メンバーの病欠で進捗が滞る」というのはどうでしょうか? 同じプロジェクト継続に関することでも、こちらはプロジェクトの問題であることが分かります。

これはリスク管理の対象にすべきでしょう。

このように発生要因を考慮して、プロジェクトに潜むリスクか、そうでないかを切り分けていきます。

イメージをつかんでいただくため、プロジェクトに潜む代表的なリスクについてご紹介します。

  • 顧客からの仕様変更依頼が多く、要件が固まらない
  • メンバーのスキルが想定よりも低く、進捗が遅れる
  • メンバーのスキルが想定よりも低く、不具合が多発する
  • 初めて使う技術の理解に時間がかかり、進捗が遅れる
  • 初めて使う技術の理解不足で、想定外の作業が多く発生する
  • 委託先の成果物の品質が悪く、社内チェックに時間がかかる

リスクの多くは品質と時間の問題です。どのようなリスクが発生すると品質が悪くなるか、時間が足りなくなるかといった観点で考えてみるとよいでしょう。

発生確率とプロジェクトへの影響度を検討する

さて、リスクの洗い出しによって多くのリスクが出たのではないでしょうか。

これらのリスクをすべて同列で検討していくのは、現実的ではありません。

そこでリスクに優先順位をつけ、重点的に監視するリスクを決めていきます。

そのための作業が発生確率とプロジェクト影響度の検討です。リスクの粒度や内容にもよりますが、基本的には大・中・小の3段階で分類すればOKです。

発生確率とプロジェクト影響度の組み合わせて、対策の優先度を決めていきます。

例えば発生確率、影響度のいずれも大きいのであれば優先度「高」です。

発生確率が低くとも、発生時のプロジェクトへの影響が大きいのであれば、これも優先度「高」で対策すべきでしょう。

発生確率、プロジェクト影響度ともに小さいものであれば無視できるので優先度「低」とします。

まとめると次のような関係になります。

発生確率 影響度 優先度

何%以上なら大のような基準値があるわけではないので、なんとなくの肌感覚で分類してください。

適用なことを言っているように思われるかもしれませんが、この「肌感覚」がかなり重要です。

リスクとは不確実性ですので、経験的に「ヤバイ」と感じている部分が実は一番信用できたりするためです。

プロマネを担当されるような方は、プログラマとしてSEとして多くの現場をくぐりぬけてきていると思いますので、自分の直感を信じて振ってみてください。

対策を検討する

優先度が決まったら、次に対策を検討します。

対策は「予防策」と「発生時対策」に分けて検討します。

優先度が高いものについては、両方の対策を、優先度が中であれば発生時対策だけ検討しておけば十分でしょう。

優先度小のものは、どちらの対策も検討せず無視して構いません。

まとめると次のようになります。

優先度 対策
予防策と発生時対策を検討する
発生時対策を検討する
無視(検討しない)

予防策はビルの屋上に柵を設置するように、そもそもリスクを発生させないための施策です。

例えば「顧客からの変更要求が多い」ことが予想されるのであれば、「〇月〇日で仕様Fixとする、それ以降は別料金」などの条件を契約で縛ってしまうなどといった対策が考えられます。

代表的な予防策をご紹介します。

リスク 代表的な予防策
変更要求が多い 仕様Fixの期限を決める。それ以降は別料金ということを契約書に明示する
メンバーのスキルが想定以下 プロジェクト開始前に教育期間を設ける
ベテランとセットで作業させる
レビューやテストを厚くする
初めて使う技術の理解不足 プロジェクト開始前に教育期間を設ける
スケジュールを十分に確保する
使い慣れた技術で代替できないか検討する
技術に精通したメンバーをアサインする

発生時対策はリスクが発生した際に取る施策です。

例えばスケジュールが遅れてしまったのなら、「残業する」「期間を延ばす」などの対策が考えられます。

代表的な発生時対策をご紹介します。

リスク 代表的な発生時対策
要件が固まらない 未確定要件は次期開発にまわし、確定要件のみ開発する
上司に問題をエスカレーションし、上層部間で交渉してもらう
進捗遅れ 残業する
開発者を増員する
納期を延ばす
機能を削る
品質が悪い 設計を見直す
テストを厚くする

トリガーポイントを決める

優先度「中」以上のリスクについて、発生時対策をいつ実行するかトリガーポイントを設定します。

進捗会議などでこのトリガーポイントを定期的にチェックし、トリガーが引かれていたら対応策を実施するわけです。

トリガーポイントはできる限り数値で設定しましょう。そうすることで実施タイミングを誤らずに対応策を実行できます。

例えば進捗遅れのリスクでは、「予定より2人日以上の遅れが発生した」といったトリガーを設定します。

この時、「進捗遅れだから2人日の遅れ」のように機械的に決めないよう注意しましょう。新人とベテラン、高難度と低難度など、メンバーや作業内容によっての許容値が変わってくるためです。

例えば、新人の場合は早めのフォローが望ましいのでトリガーは早めが良いでしょう。ベテランはたまたま下準備に時間がかかっているだけで、後で巻き返すつもりかもしれません。少し余裕を持ったトリガー設定の方が良いかもしれません。

現場の特性に合わせて柔軟にトリガーを考えましょう。

リスクを共有する

最後に作成したリスク管理シートの内容をプロジェクトメンバーや上司、顧客などの関係者に共有し、合意します。

「このプロジェクトにはこういうリスクがあるから気をつけようね」ということを周知し、協力体制を作るわけです。

リスクの予防に全員が気をつけてくれるようになりますし、発生した場合も対応策を実行しやすくなります。

顧客まで巻き込めると、プロジェクトを進めやすくなるためおすすめです。

リスク管理シートは定期的にチェックすること

プロジェクトが始まったら、リスク管理シートは定期的にチェックしましょう。

トリガーが引かれてないか確認するとともに、新たなリスクが発生していないかもチェックします。

新たなリスクは上述の手順に従い、予防策、対応策、トリガーポイントを記載しましょう。

トリガーが引かれていたら、あらかじめ決めた対応策をためらわずに実行します。

そうすることで、リスクを適切にコントロールしていくのです。

チェックは進捗会議などの定例会でもよいですし、会議ではなく自分で定期的にチェックするだけでもOKです。

最低でも月一くらいで見直すようにし、トリガーの発見が遅れないようにしましょう。

リスク管理はプロジェクトを円滑に進めるための有効な手段

リスク管理を行うことでリスクの適切なコントロールができるようになり、プロジェクトマネジメントがやりやすくなります。

なによりリスク管理シートの作成は、プロマネがマネジメントする上での思考整理に役立ちます。

二重の意味でマネジメントに役に立つものですので、リスク管理をやったことがない方はぜひ挑戦してみてください。

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